受取配当等の益金不算入額②(税理士試験、法人税法)
受取配当等の益金不算入額の計算の中でも、非常にややこしい短期所有株式等に係る配当等の適用除外。
今回はそこにスポットを当てて、受取配当等の益金不算入額のまとめ②を作成しました。
短期所有株式数の計算は、数式を理解できれば一番ですが、テストを突破するだけであれば、計算ができて解答が合えばOKなので形を暗記して解答しています。
この機会にこの規定をしっかりと押さえて、試験で解答できるようしていきましょう。
1.短期所有株式等に係る配当等の適用除外とは
元本である株式等を配当等の支払に係る基準日以前1月以内に取得し、その末日後2月以内に譲渡した場合には、その元本に係る配当等(みなし配当を除く。)については、益金不算入の取扱いを受けることができない。
(1)短期所有株式等の数
A:支払に係る基準日の1月前の元本株式等の数
B:支払に係る基準日以前1月間に取得した元本株式等の数
C:支払に係る基準日において所有する元本株式等の数
D:支払に係る基準日後2月以内に取得した元本株式等の数
E:支払に係る基準日後2月以内に譲渡した元本株式等の数
※ 太字が計算で2回使用する数値。
それぞれ分母と分子で斜めの形になるようになっています。
(2)適用除外
一株当たりの配当等の額✕(1)=XXX
この計算は前回記事にした受取配当等の益金不算入額①における(1)配当等の計算式の中に記載されることとなります。
2.解答例
[受配]
(1)配当等
①完全 XXX
②関連 XXX
③その他 XXX-XXX(短期所有株式等に係る配当等の適用除外)=XXX
④非支配 XXX-XXX(短期所有株式等に係る配当等の適用除外)=XXX
3.メモ
(制度の趣旨・成り立ち)
短期所有株式等に係る配当等に受取配当等の益金不算入の規定を適用しないということで、この益金不算入の取扱いを逆手にとって、基準日の間際に株式を取得し配当受領後ただちに売却するといった行為を規制するために設けられている。
受取配当等の益金不算入額(短期所有株式等に係る配当等の適用除外)についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
ただでさえ時間が足りない試験で、このように計算が複雑な問題が出題されるとますます時間が足りなくなってしまいます。
試験中に思い出して解答する時間はないので、完璧に覚えておきましょう。
私は形で覚えているのですが、ネットを調べると「石ぶつけて海老割ったら死んだ」とか「石田氏海老を買う」などの語呂で覚えている人もいるようです。
どのような方法であっても、試験では解答できることが一番ですので、それぞれに合ったやり方で覚えて、解答できるようにしていきたいですね。
基準日前後で株式数の増減が合った場合には、この短期所有株式等に係る配当等の適用除外の規定が適用されないかどうか、確認して解答していきましょう。