耐用年数(仕組みから具体例までわかりやすく説明)
固定資産については、減価償却により毎期規則的に費用として計上されていきます。
この減価償却計算は、定額法や定率法など様々な計算方法がありますが、主に耐用年数を用いて計算していくこととなります。
今回はこの減価償却計算を行う上での基礎である耐用年数について紹介します。
「耐用年数ってなに?」
「耐用年数ってどうやって決まっているの?」
と疑問を感じている人に向けての記事になります。
耐用年数についての理解を深めて、正しい経理処理ができるようにしていきましょう。
1.耐用年数とは
耐用年数は、一言でいえば経済的な使用可能年数となります。
「経済的な」という部分が1つのポイントで、物理的な使用可能年数ではありません。
物理的には使用可能であっても多額の維持費用が発生する、新製品の出現などにより外部環境が変化するといった要因も総合的に勘案された上で決定されています。
この耐用年数は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の別表に定められている年数に従って計算していくこととなります。
通常の維持管理を行い、通常の作業条件によって使用されることを前提として耐用年数を想定しています。
使用方法が耐用年数に影響する例として、機械及び装置の耐用年数があります。
機械及び装置については、その機械及び装置がどの業種に属するかではなく、その設備の使用状況等からいずれの業種用の設備として通常使用しているかにより耐用年数を判定することになりますので、同じ資産であっても設備の使用状況等が異なれば、耐用年数も異なることになります。
2.中古資産の耐用年数
耐用年数は、新品を取得した場合を前提としたものになります。
そのため、中古資産を取得した場合は、残存耐用年数を見積もることが認められています。
この残存耐用年数の見積もりですが、簡便法による見積もりが一般的です。
(簡便法)
①法定耐用年数の全部を経過した資産
法定耐用年数✕0.2=見積残存年数
②法定耐用年数の一部を経過した資産
(法定耐用年数-経過年数)+経過年数✕0.2=見積残存年数
※ 1年未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、その年数が2年に満たない時は2年とします
この簡便法ですが、いくつか注意点もあります。
1つ目は、資産を事業に供するために当該資産について支出した資本的支出の金額が当該資産の取得価額の50%相当額を超える場合です。
この場合は簡便法を使用することができません。
2つ目は、ソフトウエアのような無形減価償却資産を取得した場合です。
この簡便法は、有形減価償却資産についてのみ認められているもので、無形減価償却資産については認められていません。
そのため、この場合も簡便法を使用することができません。
実務でよく見るケースとしては「②法定耐用年数の一部を経過した資産」です。
これをパッと計算して欲しいと依頼されるケースも想定されますので、こちらは暗記して使用できるようにしておきましょう。
「4年落ちの中古車は2年で償却できる」という覚え方が個人的にはオススメです。
(6年-4年)+4年✕0.2=2.8年→2年
3.耐用年数の具体例
耐用年数は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の別表に定められています。
ここでは耐用年数表の一部を利用して、その見方を具体的に確認していきます。
(建物)
建物の耐用年数表の一部です。
この場合に、鉄筋鉄骨コンクリート造の事務所用の建物の耐用年数は何年が適用されるでしょうか?
答えは「50年」になります。
構造・用途、細目の順番に確認していき、その細目の耐用年数を適用することになります。
建物の場合は、その主要骨格が主にどのような構造によって構成されるかで耐用年数が決まります。
(建物附属設備)
建物附属設備の耐用年数表の一部です。
この場合に、照明設備の耐用年数は何年が適用されるでしょうか?
答えは「15年」になります。
構造・用途、細目の順番に確認していき、その細目の耐用年数を適用することになりますが、細目に記載されているものに該当するものがなければ「その他のもの」となります。
(構築物)
構築物の耐用年数表の一部です。
この場合に、駐車場のアスファルト舗装の耐用年数は何年が適用されるでしょうか?
答えは「10年」になります。
アスファルト舗装の方がコンクリート舗装よりも耐久性が低く、維持するためのコストが高くなります。
このような点が耐用年数にも反映されていますので、合わせて覚えると理解が深まります。
(車両及び運搬具)
車両及び運搬具の耐用年数表の一部です。
この場合に、営業用の社用車の耐用年数は何年が適用されるでしょうか?
答えは「6年」になります。
「自動車(二輪又は三輪自動車を除く。)-その他のもの-その他のもの」で、6年が適用されます。
(工具)
工具の耐用年数表の一部です。
金型などは非常に短い耐用年数となっています。
(器具及び備品)
器具及び備品の耐用年数表の一部です。
主として金属製かどうかで耐用年数が大きく変わってきますので、主要な材質についてはしっかりと確認する必要があります。
また、応接セットなどは1単位として取引される単位ごとに金額や耐用年数の判定を行いますので、 1組がどこまでかも確認しましょう。
その他船舶、航空機など様々な種類があります。
いずれにおいてもこの耐用年数表から耐用年数を判定していくこととなりますので、この耐用年数表を正しく使えるようにしていきましょう。
4.さいごに
耐用年数について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
減価償却計算を行う上で、耐用年数は必要なものとなります。
減価償却は短いものでは2年、長いものでは50年にもなりますのでその影響が長期にわたります。
そのため、耐用年数を誤って計算してしまった場合には、その解消にも長期を要するケースが多くなります。
どの耐用年数を適用するかについては細心の注意を払い、ミスなく処理を行っていくように進めていきましょう。
オーバーホールの経理処理(修繕費?それとも資本的支出?)
機械については、定期的に点検作業をしながら使用されていきます。
ただ、定期点検だけでなく、オーバーホールという機械を部品単位まで分解して清掃などを行い、新品時の性能に戻すような作業も一般的によく行われています。
今回はこのオーバーホールの経理処理について紹介します。
「オーバーホールってなに?」
「オーバーホールの費用はどう経理処理すればいいの?」
と疑問を感じている人に向けての記事になります。
オーバーホールの経理処理を確認して、正しく処理を行いましょう。
1.オーバーホールとは
オーバーホールとは、英語の「overhaul」を語源とする言葉で、機械製品を部品単位まで分解して掃除や調整等を行い、再度組み立てて新品時の性能に近づけるようにする作業や点検をいいます。
機械を細かく分解するため、多くの手間と時間がかかり、発生するコストも高くなることが多いですが、部品単位まで分解を行うため部品単位の点検、交換ができるようになり、通常の点検作業では行われていない項目を補うことができます。
導入時に高額なコストが発生することが多い機械装置ですが、このオーバーホールを行うことで、導入時以下のコストで、新品時の性能を得られるため、コスト面でメリットがあります。
業務用の機械装置以外でも、このオーバーホールは行われています。
身近なものとしては、機械式腕時計やカメラ、楽器などでもオーバーホールが行われています。
2.オーバーホールの経理処理
オーバーホールの経理処理ですが、一般的に修繕費となります。
ただし、これはオーバーホールが通常の維持管理や原状回復の範囲内で行われた場合に限ります。
修繕費の意義については、法人税法基本通達7-8-2に修繕費に含まれる費用の意義と例示が示されています。
(修繕費に含まれる費用)
法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の通常の維持管理のため、又はき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額が修繕費となるのであるが、次に掲げるような金額は、修繕費に該当する。
① 建物の移えい又は解体移築をした場合におけるその移えい又は移築に要した費用の額。ただし、解体移築にあっては、旧資材の70%以上がその性質上再使用できる場合であって、当該旧資材をそのまま利用して従前の建物と同一の規模及び構造の建物を再建築するものに限る。
② 機械装置の移設に要した費用(解体費を含む。)の額
③ 地盤沈下した土地を沈下前の状態に回復するために行う地盛りに要した費用の額。ただし、次に掲げる場合のその地盛りに要した費用の額を除く。
イ 土地の取得後直ちに地盛りを行った場合
ロ 土地の利用目的の変更その他土地の効用を著しく増加するための地盛りを行った場合
ハ 地盤沈下により評価損を計上した土地について地盛りを行った場合
④ 建物、機械装置等が地盤沈下により海水等の浸害を受けることとなったために行う床上げ、地上げ又は移設に要した費用の額。ただし、その床上工事等が従来の床面の構造、材質等を改良するものである等明らかに改良工事であると認められる場合のその改良部分に対応する金額を除く。
⑤ 現に使用している土地の水はけを良くする等のために行う砂利、砕石等の敷設に要した費用の額及び砂利道又は砂利路面に砂利、砕石等を補充するために要した費用の額
こちらが修繕費の意義となりますので、オーバーホールが通常の維持管理や原状回復の範囲内で行われた場合には修繕費として処理することとなります。
3.耐用年数を経過した資産についてした修理、改良など
「通常の維持管理や原状回復の範囲内で行われるものかどうかが判断基準となる」と記載しましたが、耐用年数を経過した資産についての取扱いも確認していきましょう。
元々の耐用年数が10年の資産にオーバーホールを行い、15年使うことができるようになれば、耐用年数の向上となり修繕費ではなくなる のでしょうか?
耐用年数を経過した資産についてした修理、改良等の取扱いについては、法人税法基本通達7-8-9に示されています。
(耐用年数を経過した資産についてした修理、改良等)
耐用年数を経過した減価償却資産について修理、改良等をした場合であっても、その修理、改良等のために支出した費用の額に係る資本的支出と修繕費の区分については、一般の例によりその判定を行うことに留意する。
耐用年数を経過した資産であっても、あくまでも判断は通常時と変わらずに、その費用の性質で判断することとなります。
原状の効用を維持するために必要なものとして発生する不可避的な費用や、反復性及び予測可能性という性質が認められるものは、実際の使用可能期間が延長されたかどうかではなく、その費用の性質により判断されます。
実際に、耐用年数を経過した資産のオーバーホール費用(分解、修理、点検、整備、部分品の交換)は、部分品の交換が品質や性能の高いものに取り替えたものでない限り、全額を修繕費でよいと判断がなされた事例もあります。
判断が通常時と変わらないのであれば、フローチャートによる判定も有効となります。
金額で判断できるようなものであれば判断に悩まないのですが、オーバーホールは金額が高価なこともあり、金額で判断することが難しいケースが多いです。
その際には、あくまでも実態で判断することになりますので、しっかりと実態を確認しましょう。
4.さいごに
オーバーホールの経理処理について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
オーバーホールと一言でいっても、その内容は様々なケースがあります。
機械を分解して清掃し再度組み立てを行っただけなのか、それとも部品の交換も行い、その結果機能がアップしたのか…
まずは、その実態を確認することが重要となりますので、実態を確認し、それに沿った処理を行っていきましょう。
ブログのアクセスがゼロから少し増えた時の話
どんな人でもブログを始めた時はアクセスがほぼゼロからのスタートとなります。
そんな状況ですので「ブログ アクセス ない」というキーワードがよく検索されています。
私もそのような一人で「Googleに評価されるには時間がまだ足りないのかな?」「記事数が足りないからかな?」「SEO対策ができていないから?」など検索結果を見ながら思いを巡らせていました。
おそらくすべてが当てはまるような状況だったと思うのですが、このような状況であってもアクセス解析ツールであるGoogle Analyticsを使用し、数少ないアクセスを確認する日々を過ごしていました。
そんな中、なぜか少しずつアクセスが増えてきて、安定するという現象がおきました。
この時の「なぜアクセスが増えたのか?」を確認した時の状況などをこのページでは紹介したいと思います。
「アクセスが増えない」「アクセスがない」と悩んでいた過去の自分に向けて、当時知りたかったような内容を紹介します。
1.突如安定するアクセス
先ほど記載しました通り、数少ないアクセスではありましたが、毎日Google Analyticsでアクセスを確認していました。
アクセスがゼロの日、アクセスが発生した日などが交互に発生し、アクセスは中々安定しませんでした。
そんな中、アクセスが連続して発生し、またアクセス数も増加して安定するという現象が発生しました。
「どのページにアクセスがあったのかな?」
そんな疑問からGoogle Analyticsの「ユーザーが訪れているページは?」を確認すると
先月作成した経理実務の記事である「GoToトラベルの経理処理」のページがアクセスのほとんどを占めていました。
また、Google Analyticsの「ユーザーを獲得している方法は?」も合わせて確認すると
「Organic Search」となっており、検索によるアクセスであることがわかりました。
「検索エンジンから自身のブログのこのページにアクセスが本当にできるの?」
と半ば疑いながらGoogleで検索をしてみます。
2.Googleでの検索結果
検索ワードとしては、ブログタイトルのまま「GOTO 経理処理」を選びました。
検索によるアクセスというのを半ば疑い、信用していなかったため淡々と画面を確認していきます。
さすがに検索でトップにでてくることはないので
「2ページ目とか3ページ目かな?」
「でも、2ページ目とかのページにアクセスしてくれるのかな?」
「どうやったらトップで表示されるのだろう?」
などと様々なことを考えて画面をスクロールしていると
なんと…先ほどの画面のすぐ下に表示されていました。
何というか…まったくといっていいほど想像していなかった結果なので、愕然としてしまいました。
これは検索順位でいうと4位というのでしょうか?
税理士の方や法人が作成された記事に挟まり自身の記事が表示されていました。
「えっ、信じられない…自身の記事へGoogle検索から辿り着けて、こんなに上位に表示されている…」
こういった驚きと喜びの感想を持ちました。
3.検索順位チェッカー
「Googleでの検索は4位という結果だけど、他の検索サイトでは何位なのかな?」
こういった疑問が次に浮かびました。
続けてGoogleで「検索順位」と検索します。
すると「検索順位チェッカー」というサイトが表示されましたので、そのサイトにアクセスします。
サイトの説明には「Google、Yahoo、Bingの三大検索エンジンの検索順位チェッカー」とあります。
そこに自身のブログのURLとキーワードを入力しました。
キーワードを入力後、チェックボタンを押すと
他の検索エンジンでの順位が表示されました。
「Google以外でも上位で表示されている!」
先ほどのGoogleでの検索と合わせて、この結果に再度驚くとともに喜びました。
4.結果の要因と考えられること
要因として考えられることは、このキーワードの強豪があまり強くなかったことがあげられるのではないかと思います。
内容として非常にニッチであり、他のサイトなどを見てみても文字数に大差はあまりないようです。
会計や税務といった情報は、会計士や税理士など専門家のサイトが上位表示されると思っていたのですが、「GOTO 経理処理」などの時限的な処理であれば、専門家でなくとも上位表示されるみたいですね。
逆に、普遍的な処理である「固定資産」「交際費」などは専門家でなければ難しいかも知れません。
その他の要因として考えられることは、はてなブログのドメインパワー?必要な情報をシンプルに記事にできていた?…など考えられるのですが、自身の知識では明確な要因がわかっていません。
ブログのアクセスがゼロから少し増えた時の話を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の結論として、何が評価されて検索順位が上位表示されたのかが自身の知識ではわかっていないのですが、こんな知識しか保有していない自身の記事でも一定の評価を受けることができました。
そのため、強豪がひしめくような難しいキーワードでなければ、たくさんの記事を読者目線で着実に作成していくことで、検索順位の上位表示を獲得すること可能だと思います。
ただのラッキーパンチかも知れませので、自身ができたので、絶対にみんなができることだと言い切ることはできません。
ただ、世の中は非常に高度化・複雑化しているので、それに伴い読者の「課題」も多くなっていると考えています。
「課題」が増えれば、ブログを作成する側にとってはチャンスです。
なぜなら、この「課題」を解決できることが、読者に求められる良い記事であるためです。
そして、アクセス数は「どれだけ読者の課題を解決し、役に立てたのか?」という目安だと自身では考えています。
このように重要なアクセス数を今後も継続して確認をしていき、一人でも多くの人の役に立てるようにしていきたいと思います。
子供へのおこづかいはいつから?でも、おこづかいが実はNG?
みなさんは子供の頃におこづかいをもらっていましたか。
ご家庭にもよるかと思いますが、小学生から高校生の間は、おこづかいをもらっている場合が多いのではないでしょうか。
そんな子供の頃にもらっていたおこづかいですが、いざ自分が親になると「いつから」「いくら」あげるのが最も良いのか非常に悩みますよね。
このページでは、おこづかいの相場からおこづかいの賛否についてまでを紹介しています。
おこづかいをあげる、あげない、どちらの選択も親はすることかできますが、子供は親の選択を受け入れることしかできません。
色々な選択肢を踏まえた上で、子供にとって最も正しいと思う選択をしてあげましょう。
1.おこづかいとは
おこづかいとは、特に子供にあげる金銭をいいます。
あげる方法としては、毎月定額で手渡しによることが一般的です。
小学校低学年からおこづかいを渡し始める家庭がでてきますが、小学校高学年では約5割の家庭でおこづかいを渡しています。
この渡し始めるタイミングは家庭により異なりますが、一般的に何年生になったからなど年齢により支給を開始するケースと、本人がお金に興味を持つ、お金のルールが理解できているなどの条件が揃ったタイミングで支給を開始するケースがあります。
少子化の影響もあり、両親に加え、両祖父母、未婚の叔父や叔母など、おこづかいを子供にあげる人は昔に比べ多くなってきています。
2.おこづかいの相場
学年別のおこづかいの相場(平均月額)は次の通りです。
出典元:東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所共同研究「子どもの生活と学びに関する親子調査2017」
おこづかいの金額を決めていない人にも、渡している金額を回答してもらっていますので、親が渡すおこづかいの金額としての目安にはなるのでないでしょうか。
一般的に学年が上がるにつれて、おこづかいも増える傾向にありますが、高校生になると家庭により金額にバラつきが生じます。
これに対して、子供がもらいたいというおこづかいの相場(平均月額)は次の通りです。
3.おこづかいの賛否
賛成意見としては、自分が自由に使える金額の範囲内で、お金の使い方について考えるようになり、お金の教育に役立つというものです。
おこづかいを管理することで、お金との付き合い方が身につくというメリットがあります。
反対意見としては、お金というのは労働の対価であるため、何もせずにお金をもらえるという環境は子供にとってよくないというものです。
子供へのおこづかいについてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
おこづかいへの賛否はありますが、いずれにしても子供がお金と上手に付き合っていって欲しいという親心から生まれたものなのではないでしょうか。
ここが明確になっているのであれば、おこづかいはあくまでも手段に過ぎないため、どちらを選んでも影響がないように思います。
大事なことは、お金と上手に付き合っていくことなので、おこづかいだけでなく、色々な方法で機会がある度に少しずつ伝えていくことが良いのではないかと思います。
学校では教えてくれないところになりますので、お父さんとお母さんの腕の見せ所として子供のために頑張ってあげてください。
繰延資産(税理士試験、法人税法)
繰延資産は、減価償却などと同じく、試験はもちろん、実務でもおそらくすべての人が関わるような論点ではないかと思います。
今回はこの繰延資産についてまとめてみました。
繰延資産については、その内容がどの繰延資産に該当するか判定でき、その支出の効果の及ぶ期間を計算し、償却限度額を計算することができれば解答できます。
どの繰延資産に該当するか判定できることが解答のポイントとなりますので、ここではその理解を深めていきましょう。
1.繰延資産とは
法人が支出する費用のうち支出の効果がその支出日以後1年以上に及ぶもので一定のものをいいます。ただし、資産の取得に要した金額とされるべき費用及び前払費用を除きます。
会社法上の繰延資産+税法独自の繰延資産
会社法上の繰延資産…創立費、開業費、開発費、株式交付費、社債等発行費
税法独自の繰延資産
公共的施設等の負担金の負担金…商店街の共同アーケードなど
資産を賃借するための権利金等…賃貸借契約時の礼金など
役務の提供を受けるための権利金等…ノウハウの頭金など
広告宣伝用資産を贈与した費用…飲食店における宣伝用ショーケースなど
その他自己が便益を受けるための費用…同業者団体の加入金など
会社法上の繰延資産に税法独自の繰延資産を加えたものが税法上の繰延資産となります。
そのため、税法上の繰延資産の方が会社法上の繰延資産よりも広い範囲の内容となります。
また、会社法上の繰延資産と税法上の繰延資産は、償却期間という点でも異なります。
2.繰延資産の償却期間
会社法上の繰延資産と税法上の繰延資産で償却期間が大きく異なります。
会社法上の繰延資産は任意償却となっており、損金算入のタイミングはその法人の任意となっています。
一方、税法上の繰延資産は均等償却となっており、その償却期間の主なものは次の通りとなります。
基本的にはグレーの箇所がいずれか短い年数を計算することが必要な箇所になりますが、その他でも5年や存続(契約)期間となるものについては、一定の場合に該当すれば、計算が必要な箇所になります。
償却期間の考え方として、負担者専用などその支出の効果を多く受けることができる場合には支出の効果の及ぶ月数が長くなると考えられ、償却期間も長くなります。
もし、解答の際に償却期間が思い出せなくなったときには、この考え方をヒントにして償却期間を思い出せるようにしましょう。
3.繰延資産の償却限度額の計算方法
繰延資産の償却限度額の計算方法は、次の通りとなります。
(1)任意償却の繰延資産
繰延資産の額-既に償却した金額
(2)均等償却の繰延資産
繰延資産の額✕その事業年度の月数/支出の効果の及ぶ月数
4.解答例
~通常パターン(均等償却)~
[繰延]
(1)期間
X年✕X/X=X.X年→X年(一年未満切捨)<X年 ∴X年(短い年数)
(2)限度
繰延資産の額✕その事業年度の月数/支出の効果の及ぶ月数=XXX
(3)超過
会社上の償却費-(2)=XXX
5.出題のポイント
出題のポイントとしては、次のようなものとなります。
①どの繰延資産に該当するか判定できているか。
②繰延資産として処理しなくてよいものを理解しているか。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
①どの繰延資産に該当するか判定できているかですが、これは繰延資産の区分を理解して解答することが必要となります。まず、大きな区分として、任意償却と均等償却というものがあり、さらに均等償却は5つの区分に分かれます。その5つの区分は、施設の負担金、資産の権利金等、役務提供の権利金等、広告宣伝用資産の贈与費用、その他の費用です。この大きな区分を判定できるようになることが必要です。その上で、この5つの区分の中でどの償却期間を使うか判定することができれば、解答が可能となります。区分が細かく覚えることが多いですが、覚えていれば解答できる内容となりますので、しっかりと覚えていくようにしましょう。
償却期間の計算の仕組み上、施設の負担金(共同的施設-協会本来用)は10年、施設の負担金(共同的施設-一般公衆共同用)は5年となりやすいので、忘れてしまった場合には、この年数で計算するということも一つの手かも知れません。ただ、耐用年数が短いものについてはこの限りでないので、耐用年数が短い場合には注意して解答しましょう。
②繰延資産として処理しなくてよいものを理解しているかですが、少額繰延資産などへの理解が必要です。資本的支出の判定などと同じく、繰延資産についても20万円未満の少額なものについては損金に算入可能となっていますので、こちらに該当するものは繰延資産としての計算を行わずに、損金に算入しましょう。20万円未満の少額なものとしては、広告宣伝用資産の贈答費用で陳列だなを支出したケースなどが該当しやすいかと思いますので、少額繰延資産に該当しないかどうか判定を行いましょう。また、簡易な施設の負担金についても損金に算入可能となっています。こちらは街灯の費用を支出したケースなどが該当しやすいかと思いますので、こちらも忘れずに損金に算入しましょう。
6.メモ
(法人税基本通達8-1-4)
令第14条第1項第6号イ《公共的施設等の負担金》に規定する「自己が便益を受ける共同的施設の設置又は改良のために支出する費用」とは、法人がその所属する協会、組合、商店街等の行う共同的施設の建設又は改良に要する費用の負担金をいう。この場合において、共同的施設の相当部分が貸室に供される等協会等の本来の用以外の用に供されているときは、その部分に係る負担金は、協会等に対する寄附金となることに留意する。(昭55年直法2-8「二十八」、平19年課法2-3「十八」、平19年課法2-17「十六」により改正)
(法人税基本通達8-1-13)
簡易な施設の負担金の損金算入
国、地方公共団体、商店街等の行う街路の簡易舗装、街灯、がんぎ等の簡易な施設で主として一般公衆の便益に供されるもののために充てられる負担金は、これを繰延資産としないでその負担金を支出する日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。(昭55年直法2-8「二十八」により改正)
(関連する調整項目)
・繰延資産償却超過額 XXX(別表四 加算留保)
・繰延資産償却超過額認容 XXX(別表四 減算留保)
繰延資産についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
繰延資産は他の項目よりも出題パターンが多くないように思いますので、しっかりと覚えることができていれば解答できます。
解答できるように、繰延資産の区分をしっかりと覚えていきましょう。
パソコン画面の「切り取り」「編集」にオススメ!「切り取り&スケッチ」の使い方
パソコンでエラーが出た際に、画面のスクリーンショットを撮って伝えると、状況を共有しやすいですよね。
これと同じように業務マニュアルを作成する際にも、画面のスクリーンショットを撮って伝えると、詳細な操作を共有しやすいです。
このように色々な方法で活用することができるスクリーンショットですが「切り取り&スケッチ」を利用することで、さらに効率的に情報を伝えることができるようになります。
このページでは、スクリーンショットの撮り方から「切り取り&スケッチ」の使い方までを紹介したいと思います。
1.スクリーンショットの撮り方
スクリーンショットを撮る方法として一般的によく知られているのが、「PrintScreen」キーを押して画面全体のスクリーンショットを撮る方法と「Alt」キーと「PrintScreen」キーを同時に押して最前面の画面のみのスクリーンショットを撮る方法です。
どちらも非常に便利な機能ですが、少し面倒な点があります。
それは、画像ファイルを保存するためには一旦ペイントなどの画像編集ソフトを起動し、貼り付けをしなければいけない点です。
複数枚の画像ファイルを保存しようとしている場合には、この一連の作業がやや非効率になります。
このような場合には、「Windowsロゴ」キーと「PrintScreen」キーを同時に押してスクリーンショットを撮る方法がオススメです。
この方法によるスクリーンショットは、パソコンの「ピクチャー」フォルダー内にある「スクリーンショット」フォルダーに、スクリーンショットが自動保存されるため、スクリーンショットの都度保存をする必要がありません。
ここで紹介した方法だけでも、スクリーンショットを撮ることができます。
しかし、伝えたい部分だけを切り取ったり、強調したりすることができません。
効率的に情報を伝えるのであれば、このような工夫は非常に有効だと思います。
そこで紹介するのが「切り取り&スケッチ」です。
2.「切り取り&スケッチ」とは
「切り取り&スケッチ」はSnipping Tool の進化版として搭載されました。
元々のSnipping Toolも便利なものでしたが、「切り取り&スケッチ」は、ペンのカラーの種類、定規や分度器など様々な機能が進化しています。
「切り取り&スケッチ」では「PrintScreen」キーを押して画面全体のスクリーンショットを撮る方法などと異なり、必要な画面の範囲のみをスクリーンショットとして撮ることができ、そのまま編集をすることができます。
ペイントでトリミングなどの編集をする手間がなくなりますので、上手に活用すれば効率化ができますよ。
3.「切り取り&スケッチ」の使い方
ここまでスクリーンショットの撮り方や「切り取り&スケッチ」の概要を紹介してきましたが、「切り取り&スケッチ」の使い方を紹介したいと思います。
「切り取り&スケッチ」の起動方法
「Window ロゴ」キー と「Shift」キー と「S」キーを同時に押して起動させる
画面がグレーになり、画面上部にメニューが表示されます。
スタートメニューから開く
こちらの方法ではスクリーンショットを編集できるため、すぐに編集を行う場合には、こちらの方法がオススメです。
また、よく使う機能なのでピン留めもオススメです。
ピン留めをする場合は、「切り取り&スケッチ」で右クリックをし、その他から「タスクバーにピン留めをする」をクリックします。
「切り取り&スケッチ」の使い方
「切り取り&スケッチ」には様々な機能があり、多様な使い方がありますが、ここで紹介したい効率的に情報を伝えるための使い方は、次の2つのものとなります。
伝えたい部分を強調する
伝えたい部分を色付けしたり、枠で囲んだりすると伝えたい部分がどこなのかを非常に伝えやすくなります。
色付けしたり、枠で囲んだりする時には、「定規」機能がオススメです。
定規の角度を変えるには、角度表示のある箇所で、マウスのホイールをまわします。
コメントを挿入する
コメントを挿入することで画面のスクリーンショットを撮る方法だけでは伝えきれなかった情報を伝えることができます。
このページでは、スクリーンショットの撮り方から「切り取り&スケッチ」の使い方までを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
情報を伝える上では、文字だけの情報よりも、画像を加えた情報の方が伝わりやすいですよね。
ビジネス、プライベートどちらにおいても時間は非常に貴重ですので、効率的に情報を伝えられるようにしていきましょう。
「時計の読み方」の教え方は?生活の中で時計を自然に学ぼう
みなさんは何歳から時計を読めたでしょうか。
早ければ3歳ぐらいから読めた人がいるかも知れませんが、小学校2年生の算数で習う範囲になりますので、遅くとも小学校3年生には読めていたのではないかと思います。
小学校2年生になれば習うことですので、時計が読めなくても焦る必要はないという意見もありますが、時計を読めるようになるとたくさんのメリットがあります。
そんな時計を読めることのメリットから時計の読み方の教え方までをまとめてみました。
我が子に、どうにか早く時計を読めるようになって欲しいという、お父さん、お母さんの助けになりましたら幸いです。
1.時計を読めることのメリット
生活のリズムがつく
朝は6時に起きて、夜は9時に寝る。
このような規則正しい生活を一人で送れるようにするためには、時計を読めることが必要です。
お父さん、お母さんの力を借りて規則正しい生活を送れている場合も、生活リズムとしては問題ないですが、できることなら一人でできるようになって欲しいものですよね。
誰かにやらされていることと、自らが進んで行なっていることでは、結果が同じでも、意味が違うものになるのではないでしょうか。
スケジュールを立てることができる
時計を読むことができ、時間の概念を理解していなければ、スケジュールを立てることができません。
スケジュールを立てた結果、それに対してどう行動できたのか?こういった小さな体験の積み重ねが子供の成長に大きく役立つのではないでしょうか。
ただ、スケジュールを立てることができるといっても、まだ相手は子供です。
子供は色々な事に興味を持つため、スケジュールを立てたことを忘れてしまったりすることもしばしばありますので、そんな時は、お父さん、お母さんが思い出させてあげるように手助けしてください。
スケジュールを守れるように手助けしてあげながらでも、結果としてスケジュールを守れたということは、大きな自信になるはずです。
時計を読める自分に自信がつく
小学生2年生で習う内容の時計の読み方を、それよりも前に理解していればすごいですよね。
周りの友達が時計を読めない中で、時計を読めたらきっと自信になるでしょう。
誰かと比較して、自尊心を保つということばかりをしていれば教育上は良くないのかも知れませんが、時間や数字、色のような概念はいずれ誰しもが理解できるような内容となりますので、これぐらいは寛容に受け止めてあげてもよいのではないかと思います。
こういった自信も、その子の人生に良い循環を生み出すものではないでしょうか。
2.「時計の読み方」の教え方(準備編)
アナログ時計を用意しよう
家の時計はアナログ時計でしょうか。
もし、そうでないなら、まずアナログ時計の用意から始めましょう。
アナログ時計が生活の中にあることで、触れる機会が多くなり、時計の読み方を覚える速度も早くなります。
真正面はもちろん、横からでも見えるものであれば、場所を問わず時計を確認することができます。
変わったものとしては、鳩時計もオススメです。
鳩時計のような仕掛け時計は時間とともに仕掛けが動く仕組みなので、時間を意識しやすいです。
中には、電車が動くような仕掛け時計もありますので、男の子であれば大喜びして時計に興味をもってくれるのではないでしょうか。
腕時計もオススメ
アナログ時計である腕時計もオススメです。
子供が好きなキャラクターの腕時計などであれば、自ら進んで腕時計をつけてくれるでしょうし、時計に触れる機会が増えますので、時計の読み方を覚える速度もあがります。
ただ、あくまでも時計の読み方を覚えてもらうことがメインですので、時間が正確に確認できる、見やすい腕時計を選びましょう。
短針と長針の意味を教えよう
時計の針は、「時針」「分針」「秒針」の3つがあります。
「時針」は何時かを示し、「分針」は、何分かを示し、「秒針」は何秒かを示しています。
まずはそれぞれの針の役割を教えてあげましょう。
その後、6時、12時などの何時ちょうどの時間から教え、30分、15分など細かな時間も順番に教えてあげましょう。
いきなり細かな内容を教えてしまうと、時計に対して苦手意識を持ってしまう可能性もありますので、ここは時間をかけてゆっくりと進めていきましょう。
3.「時計の読み方」の教え方(実践編)
いま何時?と聞いてみよう
いま何時?と聞いてあげることで子供は頑張って時計を読もうとします。
時計に触れる機会を増やすことが時計の読み方を覚える速度につながりますので、細かく聞いてあげましょう。
時間を間違えることもあると思いますが、その時には「今は短い針が6で長い針が12だから6時だよ」などと教えてあげて、理解を深めるようにしてあげましょう。
そして、きちんと時計を読めていたときはしっかりと褒めてあげましょう。
褒められることでやる気があがり、やる気があがるとさらに時計が読めるように自ら進んで学ぼうとするので、ここも大事なポイントです。
イベントと結びつけよう
3時のおやつ、6時のご飯、7時のお風呂などあらかじめ家庭でルールを決めておくこともオススメです。
その時間に何をするのかを意識することで、時間という概念への意識が強くなります。
おやつなどの子供にとって嬉しいイベントだけでなく、お着替えやお片づけなどの時間も意識させることで、待ち遠しい時間と、締め切りのある時間を経験することができます。
色々な時間を経験することで成長につながるとは思いますが、大人も苦手なように、子供にとっても締め切りのある時間はやっぱり苦手です。
時間通りに子供が行動することは難しいという心持ちで、ゆとりをもって時間の管理をしてあげてください。
時間が過ぎても「時間が過ぎちゃったね。じゃあ、次は何時までにしよう」とリスケジュールするなど、達成するように手助けしてあげましょう。
そして、きちんとできたときには、しっかりと褒めてあげましょう。
日記を書いてもらおう
出来事と時計を結びつけることは、イベントと結びつけることと同じく有効だと思います。
その発展型というのが、この日記を書いてもらおうです。
左の時計から右の時計に変わるまでの間にしていたことを思い出して、一日の終わりに書いてもらいましょう。
はじめの内は、「ごはん」や「ようちえん」など簡単な内容で構いません。
日記を書いている時は、親子におけるコミュニケーションの好機だと思いますので、「ごはんは何を食べたの?」「ようちえんでは何をしていたの?」など子供にどんどんと質問をしてあげましょう。
日付や曜日も合わせて書くことで、時間に対する意識が大きく変わるかと思いますので、これを機会に合わせて教えてあげてください。
「時計の読み方」の教え方についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
時計を読めることになるメリットは多くありますが、自身が考える最大のメリットはスケジュールを立てることができるようになることだと思います。
計画、実行といった繰り返しを今後の人生で経験していくことになると思いますが、まず計画を立てることができなければ、この一連のプロセスを経験することができません。
どんな小さなことでも良いかと思うのですが、計画を立て、実行し、成功するという経験を得ることができれば、今後の人生の糧になるのではないかと思います。
こうした成功体験の積み重ねは、子供の人格や人生に大きく影響してくると思いますので、しっかりと経験させてあげたいですね。
まずは、「時計の読み方」を通じて、時計が読めるようになるという成功体験をさせてあげましょう。
減価償却(税理士試験、法人税法)
減価償却といえば、試験はもちろん、実務でもおそらくすべての人が関わるような論点ではないかと思います。
簿記3級から税理士試験に至るまで、難易度の違いはありますが、常に会計や税務に関する試験の問題として出題されるものとなります。
今回はこの減価償却についてまとめてみました。
減価償却については、税理士試験においても毎回出題されるような内容になりますので、幅広いパターンに対応できるようにし、かつ、解答のスピードを上げていくように心がけましょう。
解答のスピードを上げるには、確かな理解と反復練習が必要になりますので、ここではその理解を深めていきましょう。
1.減価償却とは
減価償却の意義(会計)
減価償却とは、費用配分の原則に基づいて有形固定資産の取得原価をその耐用期間における各事業年度に配分する手続である。
会計は適正な期間損益計算を目的として、資産の取得原価(支出)を所定の方法に従い、その資産を使用する期間にわたって計画的・規則的に費用として配分します。
税務は課税の公平を目的として、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準(公正処理基準)に従って課税所得の計算を行いますが、この課税の公平の見地などから償却限度額の計算について細かな規定があります。
①減価償却資産の範囲
②償却方法
③取得価額
④耐用年数 など
会計と税務における減価償却の目的の違いは、遊休時の取扱いなどを理解する上で役に立ちますので、しっかりと押さえておきましょう。
会計上⇒遊休資産であっても、減価償却を行う必要がある。
税務上⇒遊休資産の償却費は損金に算入されない。ただし、いつでも稼働し得る状態にある、いわゆる稼働休止資産に該当するものに係る償却費は損金に算入できる。
会計では、遊休となった固定資産について減損の検討を行いますが、その結果にかかわらず、減価償却を行う必要があります。
これは遊休資産であっても、経済的陳腐化などにより時の経過とともに価値が減少すると考えられるためです。
税務では、事業の用に供しているものについて、減価償却を行うことができます。
これは使用などにより価値が減少すると考えられるためです。
必要な維持補修がされておらず、いつでも稼働し得る状態になっていない場合は、償却費の損金算入が認められないと考えられます。
2.減価償却資産の意義と償却方法
減価償却資産とは棚卸資産、有価証券及び繰延資産以外の資産のうち次のもの(事業のように供していないもの及び時の経過によりその価値の減少しないものを除く。)で償却をすべきものをいいます。
(1)建物
(2)構築物
(3)機械及び装置
(4)車両及び運搬具
(5)その他一定のもの
償却方法を選定しなかった場合には、次の償却方法となります。
(1)平成19年3月31日以前に取得
①建物以外の有形減価償却資産…旧定率法
②鉱業用減価償却資産及び鉱業権…旧生産高比例法
(2)平成19年4月1日以後から平成28年3月31以前に取得
①建物以外の有形減価償却資産…定率法
②鉱業用減価償却資産及び鉱業権…生産高比例法
(3)平成28年4月1日以後に取得
①建物・建物附属設備・構築物以外の有形減価償却資産…定率法
②鉱業用減価償却資産及び鉱業権…生産高比例法
償却限度額の計算方法
(1)旧定額法
取得価額✕0.9✕旧定額法の償却率
(2)旧定率法
(期首簿価+繰越償却超過額)✕旧定率法の償却率
(3)旧生産高比例法
取得価額✕0.9✕(採掘数量/採掘予定総数量)
(4)定額法
取得価額✕定額法の償却率
(5)定率法
(期首簿価+繰越償却超過額)✕(200%または250%)定率法の償却率
(6)生産高比例法
取得価額✕(採掘数量/採掘予定総数量)
3.解答例
~通常パターン(計算式は定率法)~
[償却]
(1)限度
(期首簿価+繰越償却超過額)✕(200%または250%)定率法の償却率=XXX
(2)超過
会社上の償却費-(1)=XXX
~認容パターン(計算式は定率法)~
[償却]
(1)限度
(期首簿価+繰越償却超過額)✕(200%または250%)定率法の償却率=XXX
(2)超過
会社上の償却費-(1)=△XXX
(3)認容
XXX(認容の場合、(2)△XXXの符号が反転)<繰越償却超過額 ∴XXX
4.出題のポイント
出題のポイントとしては、次のようなものとなります。
①問題の指示に従って計算できているか。
②資本的支出と修繕費の判定を正しくできているか。
③少額減価償却資産、一括償却資産などの規定を選択適用し、法人有利となるように計算できているか。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
①問題の指示に従って計算できているかですが、これは前提となる問題の指示(償却方法、事業供用日、グルーピングなど)を正しく認識して解答することが必要となります。総合問題では、指示が様々な箇所にあります。それをもれなく確認し、ミスなく計算を行うことが求められますので、様々な形式の問題を解き、指示通り解答できるように工夫をするなど反復練習が必要となります。
償却方法⇒償却方法についての選定の届出を行った事実はない、すべての減価償却資産について定額法を選定している
事業供用日⇒取得日と事業供用日が異なる
グルーピング ⇒特別償却を適用した資産は他の資産と通算できない、特別控除や特別償却準備金を選択すれば他の資産と通算できる
②資本的支出と修繕費の判定を正しくできているかですが、資本的支出と修繕費のフローチャートへの理解が必要となります。
新規の固定資産の取得の場合は10万円未満であれば損金に算入可能ですが、修繕費や繰延資産などは20万円未満であれば損金に算入可能と対象金額が異なっていますので、この点には注意が必要です。資本的支出と修繕費のフローチャートの詳細については、別記事でも触れていますのでこちらも見てみてください。
③少額減価償却資産、一括償却資産などの規定を選択適用し、法人有利となるように計算できているかですが、まず規定の理解が必要です。規定を理解した上で、会社の経理状況などを加味し、それぞれの規定を組み合わせて、所得金額が最も少なくなるように計算する必要があります。
その他にも償却方法の変更、事業年度が1年に満たない場合の償却率など様々な論点があります。
問題の指示が様々な箇所にあったり、計算する項目が多かったりと理解していてもミスが発生しやすい項目となりますので、反復練習でミスの傾向をつかみ、ミスを減らしていきましょう。
4.メモ
(JV工事の場合の長期大規模工事の判定について)
国税庁への照会に対する回答があります。
少し長いので、要約するとこのようなニュアンスになるかと思います。
Q.JV工事の場合、長期大規模工事の判定は請負総額ではなく、各社(各構成員)の分配割合でその請負総額を按分して各社に分配される請負金額で判定してもよいか?
A.JVとして一つの契約を締結したものなので、請負総額により長期大規模工事に該当するかどうかを判定することとなるとも考えられます。しかし、次の理由から、各構成員の分配割合に基づきその請負総額を按分して各社に分配される請負金額により判定することが相当であると考えられます。
①「その請負の対価の額が10億円以上であること。」の要件は、小規模な工事についてまで工事進行基準を適用すると(納税者の)事務負担が過重となることを配慮して設けられたものであること。
②JVは、各構成員の契約によって成立するものであり、この共同事業体は法人格を有さず、それ自体は納税義務の主体とならないこと。
③当組合事業から生ずる利益金額又は損失金額については、各構成員に直接帰属することとされており、また、帰属損益額を各事業年度の益金の額又は損金の額に算入する場合、原則として、その組合事業の資産、負債、収益及び費用のすべてについて各構成員の分配割合により計算される額をそれぞれの資産、負債、収益及び費用として認識するものとされていること。
結論として、照会者の判定方法による判定が相当であるとの見解が示されました。
(法人税基本通達2-4-14)
長期大規模工事に該当するかどうかの判定単位
請け負った工事が法第64条第1項《長期大規模工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度》に規定する長期大規模工事に該当するかどうかは、当該工事に係る契約ごとに判定するのであるが、複数の契約書により工事の請負に係る契約が締結されている場合であって、当該契約に至った事情等からみてそれらの契約全体で一の工事を請け負ったと認められる場合には、当該工事に係る契約全体を一の契約として長期大規模工事に該当するかどうかの判定を行うことに留意する。(平10年課法2-7「三」により追加、平12年課法2-7「五」、平14年課法2-1「十」、平30年課法2-8「五」により改正)
(注) 2-1-1(1)に定めるところにより区分した単位を一の取引の単位とすることとした場合には、当該単位により判定を行うことに留意する。
(法人税法施行令第129条第6項)
内国法人の請負をした長期大規模工事であつて、当該事業年度終了の時において、その着手の日から六月を経過していないもの又はその第三項に規定する進行割合が百分の二十に満たないものに係る法第六十四条第一項の規定の適用については、第三項の規定にかかわらず、当該事業年度の当該長期大規模工事の請負に係る収益の額及び費用の額は、ないものとすることができる。ただし、当該長期大規模工事の請負に係る収益の額及び費用の額につき、その確定した決算において同項に規定する工事進行基準の方法により経理した事業年度以後の事業年度については、この限りでない。
工事進行基準を適用している場合のその工事の目的物を引き渡す前の工事未収金は、一括評価金銭債権に当たるものとなります。
その工事未収金とする金額は、次の方法により計算します。
請負対価✕当期末までに支出する総原価/当期末現在の見積総原価-既に支払われた金額
工事利益の計算と似ていますが、請負対価を使うという点で異なっています。
(関連する調整項目)
・工事利益認定損 XXX(別表四 減算留保)
・貸倒引当金繰入超過額 XXX(別表四 加算留保)
・貸倒引当金繰入超過額認容 XXX(別表四 減算留保)
減価償却についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
税理士試験を終えたとしても、経理実務でも長く付き合っていくような論点となりますので、得意項目となれば差別化できるポイントだと思います。
減価償却に加え、償却資産税など関連する税金についても押さえていけば、固定資産のプロフェッショナルといわれる存在になれるのではないでしょうか。
プロフェッショナルを目指して、日々勉強をしていきましょう。
楽天カードへの入会(得するキャンペーンを利用したい!)~その2~
みなさんはどのような決済手段を利用していますか。
クレジットカード決済や電子マネー決済、キャリア決済、ウォレット決済など世の中にはたくさんの決済手段が存在しています。
私は、主にクレジットカードで決済できる場面ではクレジットカード、それ以外の場面では電子マネー決済を利用しています。
メインカードの国際ブランドがJCBで、国内ではほとんどの場面で利用できますが、海外ではVISAの方が利用できる場面が多かったりもしますので、VISAのカードもサブとして利用しています。
今回はサブのカードの見直しで、楽天カードに入会しようと考えています。
この辺りの細かい経緯については、前回の記事を参照ください。
タイミングを見計らいながら入会のタイミングを検討していましたが、今回はまずまずの内容で、そろそろカードも欲しくなってきたため、入会の申込みを行いました。
1.楽天カードへの入会時のキャンペーンとは
楽天カードへの入会については、公式キャンペーンで5,000円から8,000円相当のポイントの付与を受けることができます。
こちらの情報は普段TVなどを見ていれば、CMも放映されていますので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
しかし、お得に入会するのであれば公式キャンペーンのポイント付与だけではもったいないです。
お得に入会する方法は、他のサイトを経由して申込みを行うことです。
公式キャンペーンのみの場合と他のサイトを経由して申込みを行った場合を比較してみます。
(公式キャンペーンのみの場合)
①公式キャンペーンで5,000円から8,000円相当のポイント
(公式キャンペーンと他のサイトを経由した場合)
①公式キャンペーンで5,000円から8,000円相当のポイント+②他のサイトの4,000円から10,000円相当のポイント
他のサイトのポイント部分がそのまま変わってくるような結果となり、申込み方法によって倍以上の差が出てしまいます。
他のサイトを経由すると結果がこのように変わるため、他のサイトを経由した申込みが最もお得な方法となります。
2.実際に利用した他のサイト
ポイントサイトなどは多々ありますが、今回利用したサイトは「モッピー」です。
申込み時点でのキャンペーンは、公式キャンペーンで7,000円相当のポイント、モッピーで9,000円相当のポイントとなっており、最大16,000円相当のポイントをGETすることが可能でした。
楽天カードのキャンペーンの状況として、直近の履歴では5,000円から18,000円程度の特典となっているので、まずまずの状況だったのではないかと思います。
3.実際の入会の流れ
①モッピーの申込みページで「POINT GET」をクリック。
②会員でない人は「無料会員登録はこちら」をクリック。
(すでに会員の方はメールアドレスとパスワードを入力し、ログインをクリック。)
③メールアドレスを入力し、「登録する」をクリック。
④入力したメールアドレス宛に、仮登録メールが送信されますので、URLにアクセスし、次の必要事項を入力します。
・ニックネーム(10文字以内)
・パスワード(半角英数字4~12文字以内)
・性別
・生年月日
・都道府県
・秘密の質問
・秘密のこたえ
必要事項の入力が完了し、「利用規約」「個人情報の取り扱いについて」を確認してチェックして、「同意し、確認画面へ」をクリック。
内容確認画面が表示されるため、「上記内容を登録する」をクリック。これで会員登録が完了です。
⑤後は再度、①から楽天カードの公式サイトに移動し、申込みを行います。
楽天カードの公式サイトの申込みは、①メールアドレス(楽天会員でない方のみ)、②キャッシュカードまたは通帳、③運転免許証の3点を用意しましょう。
金融機関の口座振替申込受付サービスの登録に必要ですので、通帳があるのであれば通帳を用意して、通帳に記載されている最終の残高が確認できるようにしておけば、スムーズに登録が可能です。
また、楽天カードの公式サイトですが、iOSなどOSの種類によっては、口座振替申込受付サービス登録後の収納企業ページへの移動がうまくいかないこともあるようなので、パソコンから申込みを行うことをオススメします。(私はこれで2度程やり直しをしました。)
口座振替申込受付サービスの登録完了後、家族カードやETCカードの有無などを選択し、申込みが完了です。(これらの追加カードについては、カード発行後でも申込み可能です。)
申込み後、「カード発行手続完了のお知らせ」のメールが届けば、審査通過となります。(私は翌日の午前に案内がきました。)
入会審査の状況で多少前後するようですが、「お申し込みの受付のお知らせ」のメールから1週間から10日程でカードが届きます。
楽天カードへのモッピーを経由した入会方法をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
ここで紹介した方法は、この時点ではお得な方法でしたが、申込みのタイミングによっては他のサイトを経由する方がお得な場合もあるかと思いますので、申込みの際にはどのサイトを経由することが一番お得なのか確認することをオススメします。
クレジットカードへの入会は何度もあることではないかと思いますので、可能な限りお得な方法で入会しましょう。
工事の請負(税理士試験、法人税法)
工事の請負と聞くと、会計では建設業会計などあり、やや特殊な論点とされる部分かと思います。
税務でも工事の請負には帰属事業年度の特例というものがあり、これも同じような論点かと思います。
今回はこの工事の請負についてまとめてみました。
税務上は、金額などの一定の基準により長期大規模工事に該当するかどうかで工事進行基準が強制適用となるか、任意適用となるのかを判断していくこととなります。
長期大規模工事の要件を押さえつつ、例外的な取扱いも押さえることができれば解答できると思いますので、しっかりと理解していきましょう。
1.長期大規模工事とは
長期大規模工事とは、次の要件を満たす工事(製造とソフトウエアの開発を含みます。)をいいます。
①着手日から引渡期日までの期間が1年以上
②請負金額が10億円以上
③請負金額の1/2以上が引渡期日から1年を経過後に支払われるものでないこと
こちらが長期大規模工事の要件となりますが、①がほぼ実質的な要件といえるのではないかと思います。
工事期間が1年以上となるものは工事進行基準が適用となるのですが、10億円未満の工事を除くことで実務への配慮をし、支払いが先になるものを除くことで税徴収早期化を防ぎ担税力への配慮をしています。
要件を満たせば長期大規模工事に該当し、工事進行基準が強制適用となります。
要件を満たさなければ長期大規模工事以外の工事に該当し、工事進行基準が任意適用となります。
2.解答例
[請負]
(1)税務
①見積 請負対価-当期末現在の見積総原価=XXX
②利益 ①✕当期末までに支出する総原価/当期末現在の見積総原価-前期までに計上した工事利益=XXX
(2)会社
XXX
(3)調整
(1)-(2)=XXXor△XXX
※ プラスの場合は加算、マイナスの場合は減算
3.出題のポイント
出題のポイントとしては、次のようなものとなります。
①工事の請負に係る契約から長期大規模工事に該当するかどうかを正しく判定できるか。
②長期大規模工事に該当するかどうかを正しく判定をした上で、法人税法上、工事完成基準又は工事進行基準のいずれが適用されるか判断できるか。
③貸倒引当金との関係を理解しているか。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
①工事の請負に係る契約から長期大規模工事に該当するかどうかを正しく判定できるかですが、これは長期大規模工事の意義を理解しておけば、解答に迷うケースは少ないかと思います。長期大規模工事に該当するかどうかの判定は、その工事に係る契約ごとに判定しますので、まずこの原則をしっかりと覚えておきましょう。(例外的な取扱いは「4.メモ」に記載しています。)
②長期大規模工事に該当するかどうかを正しく判定をした上で、法人税法上、工事完成基準又は工事進行基準のいずれが適用されるか判断できるかですが、長期大規模工事に該当すれば工事進行基準が強制適用され、長期大規模工事以外の工事に該当すれば工事進行基準が任意適用となりますが、会社の決算の経理状況(工事進行基準の方法により経理しているかどうか)を踏まえ、いずれの方法が適用されるか判断することとなります。ただ、長期大規模工事に該当する場合であっても、工事進行基準を適用しないことができる規定が存在するため、その点には注意が必要です。(詳細は「4.メモ」に記載しています。)
③貸倒引当金との関係を理解しているかですが、工事進行基準の場合の論点となります。工事進行基準を適用している場合のその工事の目的物を引き渡す前の工事未収金は、一括評価金銭債権に当たるものとなりますので、これを含めて貸倒引当金の計算を行う必要があります。(詳細は「4.メモ」に記載しています。)
4.メモ
(JV工事の場合の長期大規模工事の判定について)
国税庁への照会に対する回答があります。
少し長いので、要約するとこのようなニュアンスになるかと思います。
Q.JV工事の場合、長期大規模工事の判定は請負総額ではなく、各社(各構成員)の分配割合でその請負総額を按分して各社に分配される請負金額で判定してもよいか?
A.JVとして一つの契約を締結したものなので、請負総額により長期大規模工事に該当するかどうかを判定することとなるとも考えられます。しかし、次の理由から、各構成員の分配割合に基づきその請負総額を按分して各社に分配される請負金額により判定することが相当であると考えられます。
①「その請負の対価の額が10億円以上であること。」の要件は、小規模な工事についてまで工事進行基準を適用すると(納税者の)事務負担が過重となることを配慮して設けられたものであること。
②JVは、各構成員の契約によって成立するものであり、この共同事業体は法人格を有さず、それ自体は納税義務の主体とならないこと。
③当組合事業から生ずる利益金額又は損失金額については、各構成員に直接帰属することとされており、また、帰属損益額を各事業年度の益金の額又は損金の額に算入する場合、原則として、その組合事業の資産、負債、収益及び費用のすべてについて各構成員の分配割合により計算される額をそれぞれの資産、負債、収益及び費用として認識するものとされていること。
結論として、照会者の判定方法による判定が相当であるとの見解が示されました。
(法人税基本通達2-4-14)
長期大規模工事に該当するかどうかの判定単位
請け負った工事が法第64条第1項《長期大規模工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度》に規定する長期大規模工事に該当するかどうかは、当該工事に係る契約ごとに判定するのであるが、複数の契約書により工事の請負に係る契約が締結されている場合であって、当該契約に至った事情等からみてそれらの契約全体で一の工事を請け負ったと認められる場合には、当該工事に係る契約全体を一の契約として長期大規模工事に該当するかどうかの判定を行うことに留意する。(平10年課法2-7「三」により追加、平12年課法2-7「五」、平14年課法2-1「十」、平30年課法2-8「五」により改正)
(注) 2-1-1(1)に定めるところにより区分した単位を一の取引の単位とすることとした場合には、当該単位により判定を行うことに留意する。
(法人税法施行令第129条第6項)
内国法人の請負をした長期大規模工事であつて、当該事業年度終了の時において、その着手の日から六月を経過していないもの又はその第三項に規定する進行割合が百分の二十に満たないものに係る法第六十四条第一項の規定の適用については、第三項の規定にかかわらず、当該事業年度の当該長期大規模工事の請負に係る収益の額及び費用の額は、ないものとすることができる。ただし、当該長期大規模工事の請負に係る収益の額及び費用の額につき、その確定した決算において同項に規定する工事進行基準の方法により経理した事業年度以後の事業年度については、この限りでない。
工事進行基準を適用している場合のその工事の目的物を引き渡す前の工事未収金は、一括評価金銭債権に当たるものとなります。
その工事未収金とする金額は、次の方法により計算します。
請負対価✕当期末までに支出する総原価/当期末現在の見積総原価-既に支払われた金額
工事利益の計算と似ていますが、請負対価を使うという点で異なっています。
(関連する調整項目)
・工事利益認定損 XXX(別表四 減算留保)
・貸倒引当金繰入超過額 XXX(別表四 加算留保)
・貸倒引当金繰入超過額認容 XXX(別表四 減算留保)
工事の請負についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
税理士試験への対応ということであればここに記載している論点で足りるのではないかと思いますが、工事の請負の範囲、契約の意義、長期大規模工事の着手の日等の判定など経理実務をする上ではまだまだ細かな論点がありそうです。
まず大枠を捉えて、その後細かな論点まで押さえていけば、プロフェッショナルになれると思いますので、日々勉強をしていきましょう。