サラリーマンAのブログ ~手に職と、ハッピーリタイアを求めて~

30代サラリーマンの業務や自己啓発の記録、世の中の気になる事柄についてのブログです。

役員報酬の損金算入要件、規制緩和なるか?(海外人材誘致、税優遇を)

本日の気になった事柄です。

 

日本経済新聞の金曜の朝刊の経済面に『海外人材誘致、税優遇を』という記事がありました。

 

内容としては、金融庁が、財務省と与党に、海外の金融機関や人材を呼び込むために、参入障壁と指摘されてきた税負担の軽減を求めるという内容でした。

 

法人税の話であれば、以前より言われてきたような内容であり、特に興味を持つことはなかったのですが、「役員報酬の損金算入要件の緩和」と記事にあり、興味を持ちました。

 

役員報酬の損金算入要件が参入障壁になる、という認識はなかったのですが、運用成績と連動する役員報酬は上場企業でなければ損金として認められないことが、日本を避ける要因の1つとなるようです。

 

役員報酬で、税務上損金として認められるものは以下の通りです。

・定期同額給与

・事前確定届出給与

・業績連動給与で一定の要件を満たすもの

 

定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与については、国税庁HPで詳細が記載されています。

 

www.nta.go.jp

 

詳細に記載されていますが、細かすぎて一般的ではない記載となっており、内容が理解しにくいものとなっているかと思います。

 

・定期同額給与≒その期間中、同じ給与

・事前確定届出給与≒賞与の金額を決めていて、その決めていた金額を支払った給与

・業績連動給与≒利益に関する指標を基準に支給する給与

 

大雑把に言えば、このぐらいでイメージは合っているのではないかと思います。

 

今回の記事で触れられていたものは、この内の「業績連動給与」です。

 

一見すると、適用を受けることが難しくなさそうにも見えますが、中小企業ではまず利用している会社は見たことがありません。

 

それは適用を受ける条件として、一般的な同族会社が適用要件から除かれており、また、この算定方法の内容を有価証券報告書に記載して開示する必要がある、といったことなどからです。

 

一般的な同族会社が除かれているだけでも厳しいのに、さらに有価証券報告書提出会社となればさらに厳しくなります。

 

有価証券報告書提出会社は、上場企業や非上場企業で1億円以上の発行価額で「有価証券の募集」等を行った場合に該当することとなり、中小企業では該当することがありません。

 

今回は海外人材誘致ということでこの規制緩和が求められていましたが、利用しにくく、あまり利用されていないのであれば、今回に限らず適用要件を見直すといったことをしてもよいのかも知れません。

 

国税側としては、役員報酬が利益調整に利用され、法人税を確保できなくなる側面があるとは思いますが、より税率が高い所得税が課され、最終的には相続税で補完されることから長期で見た場合には、内部留保として法人内に留保し続けるよりも外部に流出させる方が税の確保といった面では有効ではないかと思います。

 

色々なスピードがあがっているこの時代では、常にこのような規制について時代に合っているのかを検討し、変えていくといったことも必要なのかも知れません。