たばこ価格の天井は?(JT、たばこ値上げ 天井迫る?)
本日の気になった事柄です。
日本経済新聞の10月2日の朝刊・企業面に『JT、たばこ値上げ 天井迫る』という記事がありました。
内容としては、たばこ価格とJTの業績の関する内容のものでした。
10月になり、色々なものが値上がりしました。
・たばこ
・新ジャンル(第3のビール)
・ワイン(果実酒)
逆に値下がりとなったものもあります。
・ビール
・日本酒、「紹興酒」
値上げ前には駆け込み需要が生じ、値上げ後しばらくは需要が冷え込みます。
このたばこの値段についてですが、主要銘柄の値段は500円を超えているそうです。
非喫煙者なのでこの500円の価値があるのかわからないところではありますが、高級な嗜好品という部類に入るようなものなのではないのでしょうか。
500円あれば、いつものランチでちょっとランクをあげて注文する、高級パン屋さんでパンを買う、スタバのドリンクにトッピング、ハーゲンダッツを買う…などいくらでもプチ贅沢ができそうです。
このように500円でできることは結構多いように思います。
それを毎日一箱消費していくと考えた場合、年間の支出額は約18万円となります。
大卒初任給20万円と言われるこの日本では、非常に高価な嗜好品になると考えられます。
そんなたばこについてですが、喫煙者はいくらの値段となればたばこを止めるのでしょうか。
記事によると、JTはたばこの弾性値を0.3~0.4と見積もっているようです。
弾性値ですが、これは価格変更でどれだけ需給が変わるかの指標で、弾性値が0.3~0.4であれば、10%上げても客離れは3~4%にとどまるという意味になります。
普段の生活から考えると、この数値は非常に低く感じます。
代替が利くような商品であれば、値段が変更になれば、消費者の動向は大きく左右されるものだと思いますが、これはたばこという依存性が強く、代替が利かない商品だからこその数値であると思います。
海外の動向を見ても値上げとこれに伴う消費者離れというトレンドのようで、売上と営業利益の約9割をたばこで稼ぐJTにとってこの値段のコントロールは非常に重要なものとなります。
これだけ一つの事業に依存していて、かつ、税という自社でコントロールできない部分を事業のリスクに抱えているのであれば、有価証券報告書にはどのように記載しているのでしょうか。
【事業等のリスク】(1)当社グループの事業及び収益構造並びに経営方針に係る事項
【事業等のリスク】(2)当社グループのたばこ事業に係る事項
やはり想像していた通り、非常に独特な内容となっているようです。
投資先としても非常に人気のJTですが、これからの成長には既存市場の安定がかかせないといえるのではないかと思いますので、今後もたばこ価格やたばこの需給については興味を持って注視していきたいと思います。